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2012新漬 3 [新漬け]

さて、今年の新漬はどんな出来でしょう。

ミッション
いささか生り過ぎで小粒でしたから、味が薄くないか一抹の不安があったのですが・・・
これは旨い!!
歯応えは心地よく、果肉は緻密でなめらか、いい食感です。
旨みは十分に乗っていて、ミッションらしい香りが鼻腔を抜けます。
017-1 ミッション.jpg

Hマンザニロ
2010年に比べれば小粒ですが、ここのマンザはさすがの美味しさです。
オイルがとても豊かで、ミッションに比べてややソフトな果肉は芳醇な味わいです。
023-1 Hマンザ.jpg

カラマタ2
カラマタにしては小粒で物足りなく、肥大もいまいち。
それでも果肉の様子は悪くはなく、カラマタならではの旨みが感じられます。
離核の良さも特徴で、噛むとポロッと果肉が外れる感触は独特です。
030-1 カラマタ2.jpg

カラマタ1と4
こちらはサイズが大きく、まぁまぁ肥大していて、全体に色付いた程度の熟度です。
オイルが増していて、軟らかくなった果肉とともにジューシーな味わい。
ただ、カラマタ独特の旨みは感じにくくなってしまうかも・・・ やはり半緑果程度が好みです。
032-1 カラマタ1-4.jpg

レッチーノ
全体にワインカラーに染まっていたのですが、うまく色が抜けて綺麗に仕上がりました。
味は・・・とても良い。
グジュではなくブリッとした食感で、オイルと旨みのレベルが近年に無く高いのです。
レッチーノよ、こんなに旨かったのか・・・
ただ、ミッションに比べて種子が長く、若干大きく、離核も悪くて食べにくい。
こんなところがオイル品種とされる理由になるのでしょう。
033-1 レッチーノ.jpg

ネバディロ・ブランコ
このネバもいつもより小さいのですが、よく太っていて味は逆に強いくらいです。
肉質良く、旨みとオイル、そしてオリーブらしい香りを強く楽しめます。
種子が大きめで長く離核が悪いのですが、いつもはもっと大きく果肉が厚いので満足感が高いのです。
今年は旨いけど食べにくい。
043-1 ネバY.jpg

アザパ
変わらず歯応えのあるしっかり系の果肉ですが、今年はきめ細かくて舌触りが良く、旨味もなかなか。
ちょうどミッションをサイズアップしたような感じです。
ただ、特大果品種は総じてオイル分は低く、オリーブらしい香りや味も控えめです。
代わりにトウモロコシやナッツのような味わいが現れてきます。
047-1 アザパ.jpg

セビラノ
ジャンボカラマタ、バロウニと並ぶ特大果品種ですが、旨味は控えめといえるかも。
見事な果実で、肉質は結構緻密なのですが・・・ 味が薄く、物足りない印象です。
というよりも、新漬という手法に合っていないのでしょう。
054-1 セビラノ.jpg

ジャンボカラマタ
水洗い2日目あたりまでは綺麗なライムグリーンだったのですが、結局こんな仕上がりとなりました。
どうもこの品種は酸化し易いようです。
色付きの進んだ果実も多かったのですが、果皮果肉ともに硬く、肉質は緻密でギュッと詰まった感じです。
細かく噛んでいると、アボカドような味わいになってきます。
005-1.jpg
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コメント 13

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puzzley

なんて美味しそうなんだろう、こんなに種類があるとは..
そして一つ一つ味が微妙に違うらしい、これも奥が深そうだ。

by puzzley (2012-12-12 18:37) 

olishiba

オリーブオイルと同じで、品種の違い、土地の違い、人の違い・・・
味が違って当然ですね。
微妙ではありますが。
by olishiba (2012-12-14 00:11) 

savi

切り口も見せてしまうなんてさすがです!!
私も今年品種別に漬けたのですが・・・味の表現をどうしてよいやらで^^;
それと同じ実でも去年と味が違っていたり!!
アザパ・・・ナッツ臭強くありませんでしたか?
今、オイルを絞ってます。
うちには揉ん実を絞る機械がないので、さらしにまいて手でぎゅぎゅぎゅ~と絞りました。
すご~く・・・疲れました・・・(>_<)
by savi (2012-12-16 00:15) 

olishiba

saviさん、
切り口が見えたほうが美味しそうかな~と・・・
オイルと旨みの乗り具合もなんとなく分かりますしね。

味の表現、そうですね~
よっぽど個性がないと、違いを言葉にし難いですね。
品種の違いよりも、その年の出来や樹の状態での違いが大きいときも。
今年のアザパはオリーブらしい旨みと香りが強く、オイルも強くて、ナッツ香の類は控えめです。 旨いですよ。

オイルどうですか?
手搾り、懐かしい・・・
お疲れ様、明日は筋肉痛ですね~
by olishiba (2012-12-16 23:23) 

仙人

お久しぶりです。
私達の地域は田舎で冬場の気温が低いですから
オリーブを栽培されてる方は居ません。
いつも拝見しどんな食味だろうと興味深々でした。

始めて食べましたが
どう表現したらいいのか・・・
美味しくて ついつい手が出てしまう癖になる果実ですね。
by 仙人 (2012-12-18 10:49) 

Reveille

初めまして。仙人さんのブログから飛んで参りました。
ブラッドオレンジ、酷いことされる方がいらっしゃいますね。残念でしたね。
オリーブって、生の状態で拝見したのは生まれて初めてです。しかも、こんなに品種によって味・旨みの差があるのですか。大きいものは、まるでなつめの様に大きいのですね。びっくりしました。
兄が田舎でJA推薦の品種を2種育てているんですが、なかなか大きくなりません。
オリーブは、どんな用土がよく育つとかありますでしょうか。
それからolishibaさんイチオシの品種を3つくらい上げるとしたら、何がおすすめですか?
カセイソーダで渋抜きされるのですか。どのくらいの割合で作って、どのくらいの時間、漬けて、その後はどのように処理されるのですか?
もしも、それを記事にされているものがありましたらご教授いただけると幸いです。
質問ばかりで大変申し訳けありません・・m(_ _)m

by Reveille (2012-12-20 04:36) 

olishiba

仙人さん、
気に入ってもらえたのでしたら、嬉しいですね。
じつは私は一般的な輸入物のオリーブ漬けは味が強くて苦手でした。
初めて新漬を食べて、なんだ旨いじゃないか! と印象逆転で。
日本人の嗜好に合っていると思いますから、新漬をもっと多くの人に食べて認めてほしいものです。
by olishiba (2012-12-23 13:10) 

olishiba

Reveilleさん、
コメントありがとうございます。
ブラッドオレンジのことは悔しくも悲しい思いでしたが、、皆さんにコメント頂いて気が安らぎました。
オリーブオイルに味の違いがあるように、果実の加工品にも個性は感じられます。
ただ、生食フルーツのようにダイレクトでハッキリとしたものではないかも。
食べていくほどに違いを楽しめる、といったところでしょうか。

土壌には比較的鈍感で、痩地、荒地でも日当たりが良ければ栄養が乏しくても育ちます。
排水不良や酸性土壌は苦手で、根が振られないよう固定も大切です。
用土は市販の培養土でOKですが、有機石灰の補充と、重みのある根をしっかり支えられるものが良いと思います。
http://oliveshiba.blog.so-net.ne.jp/2010-04-04

品種ですが、やはり最初はミッションをお薦めします。
http://oliveshiba.blog.so-net.ne.jp/2012-11-18
果実を利用するとして、搾油はけっこう手間がかかりますので、漬けに向いた品種が良いかと思います。
マンザニロ、ハーディーズマンモス、アザパなど。
オイル用とされているネバディロブランコ、チプレッシーノは花粉が多く、漬けも美味しくできます。

カセイソーダについては、カテゴリー新漬をご覧ください。
http://oliveshiba.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301097194-1
気温、水温、果実の出来と熟度、品種、によって浸み具合は異なります。
途中でカットして、浸みの様子を見て慣れていくのがよいでしょうね。

どれも私の好みや自己流ですので、ご参考程度にしてくださいね。
by olishiba (2012-12-23 14:05) 

Reveille

たくさんの参照リンクをありがとうございました。
渋出し方法、栽培用土、品種ともに、とても参考になりました。

とても研究熱心でいらっしゃいますね。特に渋出しの各種実験は、読んでいてワクワクします。楽しく拝見しました♪
オリーブオイルは、我が家ではパスタ料理には欠かせませんので、ほとんど切らしたことがありません。(笑)

確かに、メーカーや商品によって味・こく・香りの違いはあるな、とは思っておりましたが、あの違いが品種の違いによるものだとは、考えたこともありませんでした。
先日、ホームセンターでオリーブの品種名を見て、覚えていたのは、ミッション、マンザニロ、ネバディロブランコでした。あと、数品種ほどありましたが、今度はメモでも取っておくことにします。もともとオリーブは、紫色っぽいものだと思っておりましたが、完熟果になるとほとんどの品種は黒っぽい紫色になるのですか?最後まで紫色にならないものもありますか?
それと、圧搾でオイルを取る場合は収獲タイミングの見方とかありますでしょうか。
by Reveille (2012-12-24 22:04) 

olishiba

Reveilleさん、
いえいえ、どういたしまして。

市販オリーブオイルのほとんどは複数の品種をブレンドすることによって、風味や香りを補完し製品としています。
イタリアでは、レッチーノ、フラントイオ、モライオロ、ペンドリノなどです。
ですから、単一品種のオイルは希少で特別なものになります。
その品種を想像しながら味わうのも楽しいものです。

どのオリーブも緑色で成長し、育ちきってから赤、ピンク、紫色などに色付き、最後はほぼ黒色になって完熟となります。
樹の調子が悪く、熟しそこなって緑のまま終わることもありますが・・・

最もオイル分が多くなって搾油効率が良いのは紫から黒色になる頃です。
逆に緑果からはスパイシーで青い香りのオイルが得られますが、まだ硬い果肉を搾るのは大変です。
ですから、色付き始めて果肉が薄緑色で軟らかくなった頃がベストです。
私の好みですけど・・・
これもカテゴリー搾油をご覧ください。
http://oliveshiba.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301097185-1
by olishiba (2012-12-25 23:21) 

Reveille

搾油の仕方も、全く想像しておりませんでした。ジューサーやフードプロセッサーで潰す方法もあるのですね。全果実のうちの含有量から考えたら、オリーブオイルのお値段が高いのが納得です。それから潰し方によっては、渋みも含まれることもあるのですか。色々勉強になります。ありがとうございました。

よく見かけるオリーブの種取りの穴、あれはどうやって開けているのか疑問だったのですが、種抜きの挟みみたいなものがあるのですね。あの挟みの様なものはホームセンター等にあるのですか?初めて拝見しました。

何度も質問ばかりで、本当にすみません・・f^ ^;
by Reveille (2012-12-28 01:36) 

olishiba

Reveilleさん、
フードプロセッサを使えるのはほんの数秒ですよ。
繊維感を残した果肉をサックリゆっくりと混ぜ続けることにより、オイルの微粒子を合体させて分離してゆくのです。
粉砕しすぎてクリーム状にしてしまうと分離できなくなってしまうのです。
そのあたりがポイントですね。

種抜き器は一般的なものではないので、輸入キッチン用品を多く置いているようなショップでないと無いかも。
Amazonにありますし、高松のSOUJUのオンラインショップにもあります。
他メーカー品もいくつか新しく出回っているようですね。
by olishiba (2012-12-28 20:39) 

Reveille

何度にもわたる質問攻め、本当にすみません。どうもありがとうございました。
種抜き器と言うのですね。ショップでないと購入できないのですね。了解です。
現在オリーブを育てている兄には、こちらのサイトと記事を知らせておきました。また、色々ご教授いただけると幸いです。

今年は年末になって大変お世話になってしまいました。
来年もどうぞ宜しくお願い致します。
by Reveille (2012-12-31 17:38) 

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